FULLCOUNT PRESS
JULY 2025
1993年に大阪で創業したフルカウントは、完全国産のハイクオリティなデニムを軸にしたコレクションを展開。デニムの素材には希少な超長綿のジンバブエコットン(※オーガニックコットン)を使用し、岡山県の希少な力織機で織った生地は、ヴィンテージデニムに引けを取らない色落ちと、「一度穿いたらやめられない」と言われるほどの穿き心地が特徴です。現在は日本のみならず “ジャパンデニム”を代表する存在として海外でも高く評価されています。
今回はフルカウントの生地の生産現場とその歴史について。
30年以上変わらない フルカウントのデニム生地の生産背景
ヴィンテージデニムのような生地を作るために
フルカウントのジーンズは、ヴィンテージデニムを徹底的に研究して生まれた独特の穿き心地、そして美しい色落ちに定評があります。そこで最も重要になるのが、デニム生地です。
フルカウントでは、創業間も無くから、デニム素材に「ジンバブエコットン」を採用。これは当時「柔らかすぎてジーンズ向きではない」と言われていたのですが、ヴィンテージデニムのような糸の撚りと織り方を追求すると、繊維長が長く、強度があり、柔らかいという特徴を持つ高品質なジンバブエコットンが最適、という答えに辿り着きました。この素材の採用は、創業30年以上経った現在でも続いています。
しかし、どんなに素晴らしい素材を使っても、その「織り」が適切でないと、ヴィンテージデニムのような風合いは生まれません。フルカウントの誕生前夜、「ヴィンテージデニムのような風合いを実現するには、当時の生産方法に近い力織機を持っている工場で作る必要がある」、そう考えたフルカウント代表の辻田幹晴は、同業者とともに日本国内のデニム生地の生産工場を巡り、理想の生地作りを可能にする生産者を探しました。
しかし、ヴィンテージデニムの最高峰と呼ばれる1940年代と同等の力織機を稼働し続けるのは、メンテナンスの側面でも工場にとってはリスクがあります。また、旧式の力織機は生地を織るスピードも遅いため、よりスピードと大量生産を求められる時代の中で淘汰されつつありました。
旧式の織機で、特別な織り方を指示
時代は90年代。ファッションやジーンズのマーケットも拡大する中、岡山県のある工場では旧式力織機が現役で活躍していました。その工場も時代遅れの機械から新しい機械への移行を考えていたところだったのですが、この工場の存在を知った辻田と同業者は、「ブランドが出来たら大量に発注するから、どうにかこの機械を継続させて欲しい」と頼み込んで、その織機で織ったデニム生地でジーンズを作ることができるようになりました。
以来30余年、フルカウントのデニム生地はその工場で作られています。“ジャパンデニム”が注目されるようになると、その工場で生産を希望するブランドが殺到するようになるのですが、限られた台数の織機しかないため、オーダーを受け付けられるのは限られたブランドのみ。フルカウントは30年以上絶やさず発注し続けているという実績があるため、この工場の数台の織機は常に「フルカウント専用」になっています。
しかもフルカウントでは、その工場の中でも「特別な織り方の指示」をしているため、実は同じ工場であってもフルカウントの生地は特別な仕上がりとなっています。その“織り方のレシピ”はもちろん企業秘密。前述のジンバブエコットンの糸、そしてこの旧式織機の存在、さらにフルカウント独自の織り方によって、フルカウントの独自の柔らかな穿き心地と美しい色落ちが実現しているのです。
約5年穿き続け、リペアも繰り返したフルカウントのジーンズ(ユーザー個人所有)
https://www.instagram.com/p/DKjbPXtPraw/?igsh=MXBia3ljejlhM2trZA==
現在この工場では、旧式の織機が連日フル稼働。熟練の職人たちが機械の調子を見ながら、しっかりと機械のメンテナンスを行い、世界中から旧式織機の部品を買い揃えることで、継続的な操業を目指しています。
もし90年代にフルカウントがこの工場と出会っていなかったら、もし継続的に発注が出来なかったら。そんないくつもの「if」を乗り越えたからこそ、フルカウントのデニムや“ジャパンデニム”が、日本だけでなく、世界からも注目される存在になったのかもしれません。
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FULLCOUNT(フルカウント)について
代表の辻田幹晴が1993年に大阪で創業した日本のデニムブランド。デニムの素材にはジンバブエコットンを使用し、岡山県の希少な力織機で織った生地は、ヴィンテージデニムに引けを取らない色落ちと、「一度穿いたらやめられない」と言われるほどの穿き心地が特徴。現在は日本のみならず “ジャパンデニム”を代表する存在として海外でも高く評価されています。
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